2012 年 5 月 1 日
「大災害とメディア」、「マスコミとフリーの違い」等について
◎ゲスト 外岡秀俊さん(元朝日新聞)
昨年3月末で朝日新聞を退社し、ふるさと札幌に拠点を移して活動中
朝日を退職してゆっくり札幌で活動と思っていた矢先の3・11、以前の阪神淡路大震災、中国の四川大震災等の取材経験を踏まえて、今年になって出版した2冊の本も大変読み応えのある内容
でした。
●日時:2012年5月15日(火)19:00~
開場は午後6時。開始時間までは自由に飲食、懇談をお楽しみ下さい
●場所:愛生舘ビル(札幌市中央区南1西5北西角、市電沿いビル)
2つある玄関のうち南側の入り口から入った右手奥、1階会議室
※会場が前年度とは異なりますので、ご注意ください。
●参加費:500円(例会資料代)・学生無料
●問合せ:staff@media-am.org
※メディア・アンビシャス年会費3000円(学生会員1000円)です(当日会場でも入会受付します)。
※例会は原則第3火曜日を予定しています。
2012 年 4 月 12 日
「『フクシマのうそ』」と放射線報道のうそ」
昨年の「3・11」以降、放射性物質との戦いを強いられていますが、その対処法も含めて学び合う例会としたいと考えています。
◎上映「フクシマのうそ」ドイツZDF 30分
ZDF(ツェット・デー・エフ)はドイツ第二の公共放送テレビ局(ドイツ語: Zweites Deutsches Fernsehen)は、ドイツ・ラインラント=プファルツ州の州都マインツを本拠地としています。この番組はツイッターやフェイスブックなどで話題となっています。
http://www.dailymotion.com/video/xpisys_yyyzdf-yyyyyyy_news
◎ゲスト 西尾 正道さん(国立病院機構・北海道がんセンター院長)
メディアの放射線被ばく報道やがれき問題を中心にお話いただきます。
●日時:2012年4月17日(火)19:00~
開場は午後6時。開始時間までは自由に飲食、懇談をお楽しみ下さい
●場所:愛生舘ビル(札幌市中央区南1西5北西角、市電沿い)1階会議室
西向きに2つある入り口のうち南側の玄関を入り突きあたり右側への階段をあがったところ。
※会場が前年度とは異なりますので、ご注意ください。
●参加費:500円(例会資料代)・学生無料
●問合せ:staff@media-am.org
※メディア・アンビシャス年会費3000円(学生会員1000円)です(当日会場でも入会受付します)。
※例会は原則第3火曜日を予定しています。
2012 年 3 月 3 日
輝かしい歴史の道内出版事情
—— 道立図書館の栗田コレクション、札大『知の巨人 山口昌男展』を中心に
【ゲスト】 石塚純一さん(札幌大学文化学部教授)
石塚教授は平凡社で世界大百科事典(全34巻)の 日本の美術や建築、宗教など文化史部門を担当した後、 『イメージ・リーディング』叢書などにも携わった。1997(平成9)年札幌大学文化学部の設立にともない来札。その後、研究活動の傍ら、お連れ合いの千恵子さんと一緒に石塚出版局としてリトル・マガジン「グラヌール」を出版したほか、札幌大学元学長、本年度文化功労者の山口昌男さんの業績や蔵書を整理し、札大埋蔵文化財展示室(二号館地下1階)開設にも尽力し、この4月に離札される。
そこで、それに先立ち山口さんの業績や、道立図書館に蔵書されている「栗田コレクション」などの意義を映像を交えて、ざっくばらんに語っていただきます。
「栗田コレクション」は50〜60年代の大衆文化を表わす雑誌や推理小説、各種文学全集が約11万4千点収蔵されているもので、創刊時の「平凡パンチ」「アンアン」「少年マガジン」など珍しいものばかりです。
●日時:2012年3月13日(火)19:00〜
●場所:愛生舘ビル(札幌市中央区南1西5北西角、市電沿い)1階会議室
西向きのビル南側の玄関を入り突きあたり右側への階段をあがったところ。
※会場が前年度とは異なりますので、ご注意ください。
●参加費:500円(例会資料代)・学生無料
●問合せ:staff@media-am.org
※メディア・アンビシャス年会費3000円(学生会員1000円)です(当日会場でも入会受付します)。
※例会は原則第3火曜日を予定していますが、3月は祝日となるため第2火曜日に開催します。ご了承ください。
2012 年 2 月 22 日
2012年2月7日
活字部門
◇大賞 「岐路 大間はいま」(北海道新聞)
北海道新聞函館報道部 内本智子 (うちもと・ともこ)
受賞を聞いてうれしいというよりも、びっくりしている。原発が建設される大間と函館は本当に近い。海を挟んで最短18キロ、函館の大森浜から夏、大間で行われる花火が見えた。そんな近い場所に建てられる原発に対し、函館の市民が1昨年、建設差し止め訴訟を起こした。訴訟は道南・函館の人にとって原発は他人事ではない、生活が脅かされるという不安の訴えだった。原発を一から学ぶ取材のスタートだった。まず大間の人たちは(原発建設を)どう受け止めているのか知ろうと何度も通った。感じたのは原発マネーの凄さだった。東日本震災の起きた3月11日。函館の人の不安と、大間の人の不安の向かう先が違うのには驚いた。函館は原発事故への不安。一方で大間の不安は原発工事がストップしてしまうと経済や街づくりはどうなるかという心配だった。その大間でもしばらくして、それまでなかった建設に疑問の声も上がるようになった。大間の現状、葛藤を今後も紹介させてもらいたい。(トークから要約)
◇メディア賞:プロメテウスの罠(朝日新聞、連載中)
取材班代表 朝日新聞特別報道部長 依光隆明(よりみつ・たかあき)
市民の方々に選んでもらったことをとても感謝しています。
この連載の目標は、普通の読者に読んでもらうことでした。ともすれば新聞は手近な取材相手に向けて書いてしまう傾向があります。政治家、官僚、学者、評論家、企業家、などです。しかし新聞を買っているのは読者の人たちです。読者が読んでくれる記事を書かないと意味はありません。
方向性はこう定めました。①住民の視点で、住民が知りたいことを書く。②事実にこだわる。③分かりやすく書く。
事実を掘り当てるにはしつこくアポを入れねばならないし、夜回りも必要です。適当なことを言わせないように、特に官僚は実名で載せることにしました。よほどきちんと取材しないと実名で載せることはできません。あえて難しいハードルを課しました。
うれしかったのは読者の方々の反応でした。紙面で2回、「お手紙、おはがきを」と呼び掛けると350通の手紙、はがきが届きました。どのお便りも取材班を激励してくれていました。「新聞を取っていてよかった」という声もありました。「書いてくれてありがとう」という声もありました。
連載はまだまだ続きます。読者の方々の顔を思い浮かべながら、さらに頑張りたいと思っています。ありがとうございました。
◇アンビシャス賞:ウィキリークスの一連の報道(朝日新聞)
取材チーム代表 梅原季哉(うめはら・としや)=掲載時は朝日新聞東京本社 国際報道グループ次長(現・社会部次長)
ウィキリークスが入手した米国の外交公電のうち未公開だった日本関係の約7000点について我々が提供を受けたのは昨年1月。金銭の授受は一切なく、報道内容についても何の条件もつかないと確認した上のことでした。
膨大な量の公電を読み込み、既知の事実に照らした文脈の中に位置づけた上で裏を取っていく――砂金探しのような作業でしたが、それを評価していただいたことを光栄に思います。
日本の政治家や官僚たちは米国の外交官たちを相手にした際、日本国民を相手にするのとは違う言動をとっていました。西南女学院大学の菅英輝教授がいみじくも形容したように「原子力村」にも似た「日米安保村」の存在が浮かび上がってきたのです。
ウィキリークスは、あらゆる情報を公開するという原則にこだわっています。今回の公電群も昨年9月、彼らのサイトで全て公開されました。そうした中、我々のような報道機関の役割は何なのか。正解は簡単には見えてきませんが、今回の報道は一つの可能性を示せたのではないかと思っています。
◇入選:「これからのエネルギー 北大大学院教授吉田文和さん」(北海道新聞 10回連載)
北海道新聞編集局 加藤雅規(かとう・よしのり)
東日本大震災、福島原発事故。これだけのことが起きた、「その後」とどう向き合っていくのか。これが連載を創る動機となりました。最初のシリーズのテーマが「原発」になったのは自然な流れです。
「その後」と向き合わねばならない。しかし、手品のように脱原発の世の中に変わるわけではない。とりわけ子供を持つ親の世代、それより若い世代にとって、「その後」を生きることは重すぎるほどの課題です。
困難な課題だからこそ、打開するために必要なこと、道筋を示す必要があります。それも、中高生がわかるように。難しいことをわかりやすくという、やっかいな要望に応えてくれたのが、中公新書「グリーン・エコノミー」を書いた吉田和夫北大大学院教授です。
それまでお会いしたことのなかった教授に、8月になって突然、依頼のメールを出したときは、取材のため訪欧する間際でした。慌てましたが、若い世代に伝えるという趣旨を理解していただき、執筆の快諾を得ました。
10回は異例の長さですが、もっとあっていい、重いテーマです。吉田教授のご協力があってできた連載です。ほめられることに慣れていないのですが、少し調子に乗って、こうした、いい連載を積み重ねたいと思います。 ありがとうございます。
映像部門
◇大賞 「ネットワークでつくる放射能汚染地図」(NHK)
NHK放送文化研究所主任研究員 七沢潔(ななさわ・きよし)
チェルノブイリなどの原発事故を取材した経験から、自分にも出番があるかなと思いながらテレビや新聞を見ていた。ところが、当初、現場で何が起きているか分からなかった。放射能汚染が想像されるのに、何も分からないのであれば、多少危険であっても、自分たちで測定器を持って、自分たちで調査するのが一番いいだろう、と考えた。福島第一原発に向かうと、測定器の針が振り切れた。振り切れるということは、放射能汚染がどれぐらいかも分からないということで、本当に怖かった。チェルノブイリと同じような事故が起きていると実感した。(国などの)“公”が放射能汚染を想定していない、また情報を明らかにしないならば、在野の科学者、志を持った人が福島、東京へ、番組名の「ネットワーク」のようにつながりながら、何が起きているのかを明らかにする必要がある、と思った。ジャーナリストしての基本、当たり前のことをしたに過ぎない。それを評価していただいて有り難い。(トークから要約)
NHK番組福祉部 ディレクター 大森淳郎(おおもり・じゅんろう)
(政府の意向で立ち入り制限された現場に入った立場からすると)最初、福島第一原発から30キロのところに線が引かれていたわけではない。バリケードがあったわけでもない。そして、その内側には人々が暮らしていた。現場で取材する記者たちに、(30キロのところで)取材をやめて引き返すという気持ちも選択肢もなかった。住民たちは「よくぞ来てくれた」と私たちを喜んで迎えてくれた。取材現場のものとしては、普通のことを普通に行ったという感じだ。もし、それが賞に値するというなら、(自分たちの報道が)普通でなかったということを示しているのであり、そのことがメディアの現状を鋭く写し出しているということだろう。(トークから要約)
◇メディア賞:「シリーズ日米安保50年第2回 沖縄“平和”の代償」(NHK)
NHK沖縄放送局 プロデューサー 宮本英樹(みやもと・ひでき)
今回は大変光栄な賞を頂き有り難うございました。思い起こせば番組のための取材が行われたのは、2009年夏の政権交代から、翌12月の仲井真知事が再選された沖縄県知事選までの1年半。沖縄はもちろん本土の新聞の一面でも毎日、「普天間基地の移設先」について報じられていた頃でした。沖縄に駐留する最大部隊である海兵隊が、もとは本土から移転されてきたという歴史に加え、これまであまり発信されなかった「基地を受け入れた住民」や「軍用地主」の方々の話しをお伝えすることで、「沖縄問題」の複雑さと根深さを少しでも描ければと思いました。あれから1年以上、問題は何ら解決されていません。沖縄県民の県内移設への反対は収まらず、またアメリカ政府の予算削減の動きもあり、辺野古移設は一層難しい情勢となり、普天間基地が固定化されるのではという懸念が高まっています。震災が起きたこともあり、沖縄に関する報道は散発的なものになりがちですが、一方で原発事故が福島で起きたことで、中央と地方の関係を再考し沖縄問題を捉え直す論調も出てきています。我々としましても、本土復帰40年の節目の今年、「経済振興」という名の下にこれまで投入されてきた多額の予算の意図や効果について検証する番組なども手がけております。沖縄自身が抱える問題も含めタブーなく取材を深めることこそ、地元NHKの使命と考えております。今後ともご指導頂ければ幸いです。
◇アンビシャス賞
札幌テレビ報道部 横内郁麿(よこうち・いくま)
取材には4年前から取り組んだ。(息子の死因を不審に思っていた)父親のことを聞いていたころ、司法関係者からも「死体解剖の現状を知っているか」と指摘されたのがきっかけになった。番組で何より紹介したかったのは解剖のシーン。解剖の意味合い、解剖室で何が行われているかを皆さんに知ってほしかった。警察が立ち会う中で、解剖室にカメラが入れるよう関係者を説得するのに本当に時間がかかった。未熟な自分としては、番組ではこうすれば、ああすればという反省が今もある。しかし、メディアに関心のある市民の活動で賞をもらって、背中を押してもらったようにうれしかった。報道にかかわるみんな同じだろうが、市民から評価してもらうことは本当に励みになる。市民の皆さんを失望させないように、報道し、また番組をつくっていきたい。今後も暖かく、厳しい目でメディアを見守ってください。(あいさつから要約)
2012 年 2 月 13 日

表彰式後、トーク「原発報道」に臨んだ大賞受賞者たち(写真左から大森、七沢、内本の各氏)。写真右は活字入選の筆者、吉田文和北大大学院教授
2011年度メディア・アンビシャス大賞の表彰式が7日夜、札幌市中央区のシアターキノで開かれました。映像部門の大賞作品「ネットワークでつくる放射能汚染地図」(NHK)を鑑賞後、表彰式では、活字部門の大賞「岐路 大間はいま」の内本智子さん(北海道新聞函館報道部)、映像部門の大森淳郎さん(NHK教育テレビ)らに表彰状が贈られました。
引き続き行われたトーク「原発報道をめぐって-大賞受賞者が語る」には内本さん、大森さんに、七沢潔さん(NHK放送文化研究所)も加わりました。それぞれが受賞の喜びを話す一方で、原発報道の現状に言及しました。その中で、東日本震災後の原発工事ストップ以来、工事再開を求めていた大間(青森県)の現状を報告した内本さんは「昨年秋、明らかに潮目が変わった。それまで表に出なかった原発に対する疑問の声がはっきり聞かれ始めた。その一方で工事再開を求める声も従来以上に盛り上がった。現地は以前と異なる雰囲気にある」と話しました。
また七沢さんは大賞を受けた「汚染地図」の番組制作にかかわったいきさつや、その番組がNHKオンデマンドで多くみられ、原発問題の新しいドキュメント作りにつながっている経緯を説明しながら、「視聴者がテレビジョンを支える新しい状況が生まれた」という興味深い事象を報告しました。
「汚染地図」のディレクターだった大森さんは「原発報道ではメディアの在り方自体が問われている」と話し、政府の意向に従ってメディアが入ろうとしない地域に視聴者(住民)がいる不可思議な状況を指摘しました。
当日欠席の代表世話人の山口二郎さんからは次のようなメッセージが寄せられ、表彰式の中で紹介されました。「今回のメディア・アンビシャス大賞は、3.11という衝撃を受けての選考で、例年になく力作がひしめき合う中での選考でした。その中で受賞された方々のジャーナリスト精神に深く敬意を表します。その一方で、政官業の鉄の三角形に、学者と報道機関が荷担し、鉄の5角形を形成しているという批判もしばしば聞かれます。お互いに、今後さらに研鑽を重ね、批判精神を保ちながら仕事をしたいと願っています」。
表彰式後は会場を移して、受賞者を囲んで懇親会。放送や取材の裏話があらためて紹介されるなど、夜遅くまでにぎやかな語らいが続きました。(文責・山本)
>道新動画ニュースで紹介されました
2012 年 2 月 3 日
2012年1月31日
メディア・アンビシャス
(代表世話人 山口二郎)
私たち市民の活動の柱の1つ、大賞表彰は今年で3回目です。マスコミ報道に日ごろ接する立場から、優れた報道を声援したいという、私たちの願いは今期の大賞選考会でも大いに議論されました。表彰式日程と選考結果は下記の通りですが、活字、映像の両部門大賞の受賞者から「現場の声」を聞きます。会員、市民の皆さんのご参加をお待ちしています。
表彰式
「原発報道に携わって - 大賞受賞者が語る」
- 受賞者トークと表彰状授与
- 「ネットワークでつくる放射能汚染地図」(NHK)上映(午後6時30分)
※トークの司会は山口二郎北大大学院教授(出席できる場合)
- 日時:2月7日(火)午後6時30分~午後9時30分
- 場所:シアターキノ(札幌市中央区南3条西6丁目、狸小路。☎011-231-9355)
選考結果
【活字部門】推薦の記事は40本。
☆メディア・アンビシャス大賞:「岐路 大間はいま」(北海道新聞。連載)
☆メディア賞 :「プロメテウスの罠」(朝日新聞。連載)
☆アンビシャス賞 :ウィキリークスにかかわる一連の報道(朝日新聞)
☆入選 :「これからのエネルギー 北大大学院教授 吉田文和さん」(北海道新聞。連載)
【映像部門】推薦の番組は13本
☆メディア・アンビシャス大賞:「ネットワークでつくる放射能汚染地図」(NHK教育テレビ)
☆メディア賞 :「シリーズ日米安保50年第2回 沖縄“平和”の代償」(NHK)
☆アンビシャス賞 :「届かない最期の声 死因究明の闇」(STV)
※なお表彰式終了後、別の会場で懇親会を開きます。会員の参加を待っています。
2012 年 1 月 29 日
活字部門
☆メディア・アンビシャス大賞:「岐路 大間はいま」(北海道新聞 5回連載)
このシリーズは、まず第1に福島原発事故を受けて、北海道新聞函館報道部が海峡を挟んで目前の大間原発を取り上げたという地元マスコミとしてのテーマ選定に意味があります。
連載の第1回は原発批判がタブー視されていた大間町の福島原発事故を契機とする「変化」を、第2回は大間原発の工事中断による大間町の経済の「停滞」を、第3回は原発関連交付金等の原発マネーへの大間町の「依存」ぶりを、第4回は電源開発(株)による大間町民への種々の「懐柔」策を、第5回は大間町の「対岸」である函館市における大間原発反対の活動を紹介しています。大間原発の建設に関する社会的な背景を分かりやすく説明する巧みな構成と思います。
また、函館地方版に番外編として、大間原発の建設凍結を主張する工藤函館市長、建設再開を求める金沢大間町長、そしてルポライターの鎌田慧氏のインタビューを掲載しています。全道面掲載にもポイントを紹介していますが、最後を鎌田氏のインタビューで締めくくり、北海道新聞函館報道部の大間原発に反対する姿勢を明確にしたことも注目されるでしょう。
☆メディア賞:「プロメテウスの罠」(朝日新聞。連載中)
朝日新聞で10月3日にスタートした連載「プロメテウスの罠」は、「フクシマ」が不名誉なかたちで世界中にその名を刻むことになった年―2011年―が終わりを告げる日まで毎日、朝刊のページを一枚めくるといつもそこ(3面左)にあった。
「防護服の男」「研究者の辞表」等の各シリーズタイトルのもと、政府・東電・官公庁・被災者はもとより、被災地から離れた人々に至るまで、どのように動き、または動かなかったか、何を思い、日々の暮らしがどう変わったかを多面的な切り口で展開し、原発事故にからむ組織と個人の対応をあぶり出した。記事が常に緊張感を放ち読者を惹きつけるのは、思い切った実名報道によるところが大きいだろう。報道する側としては細心の注意とそれなりの覚悟が要求されたであろうことは想像に難くない。報道することへの強い意思を感じる“実名”であった。
一方、政府・官公庁の機能不全の実態をこの連載でまざまざと見せつけられてしまった読者は、この国に生きる一市民としての責任を問う矢が自分にも向いていることを認識せざるを得なくなった。もう傍観者ではいられないよ、と。
☆アンビシャス賞:ウィキリークスにかかわる一連の報道(朝日新聞)
デジタル時代の新しい情報入手手法と言える「ウィキリークス」。その仕組みで得られた情報をメディアはどう取り扱えるか。「個人の生命、安全を危険にさらす情報」を除外する一方、メディア自身で検証できた情報は最大限公開する-ことを示した報道姿勢がまず注目される。そのうえで、沖縄をめぐる数々の交渉などで多くの事実が、「外交の秘密」の建前の下に隠されていたことを明らかにした。第一弾となった5月4日紙面は、国民に隠した政府の責任・怠慢ぶりを浮き彫りにした、と特に評価したい。その後、この報道のありようをいろんな角度から紙面展開した姿勢も、読者に問題提起するものとして好感できる。
☆入選:「これからのエネルギー 北大大学院教授 吉田文和さん」(北海道新聞。10回連載)
連載は平成23年10月1日より北海道新聞土曜日夕刊に掲載された。吉田文和北大大学院教授が専門である環境経済学と産業技術論から、福島第1原発事故後のエネルギー政策を考えるための情報を国内、海外の事例から分かりやすく紹介・解説している。これまで、原子力発電のような巨大科学技術についての問題は新聞紙上で取り上げられることが少なく、はからずも原発事故がそのきっかけになったことは残念でありますが、国民の大多数が原子力発電に不安をいだくようになった今、この連載記事が示した今後のエネルギーについての可能性は希望につながっている。連載終了後の元旦、同紙の「エネルギー特集」数ページとして集大成されたことも意義深い
映像部門
☆メディア・アンビシャス大賞:「ネットワークでつくる放射能汚染地図」(NHK教育)
政府や東電の発表にたよらず、研究者たちと独自の調査報道を行い、いち早く、実際に計測した土壌汚染の数値を発表し、真の汚染情報を求めていた視聴者、特に被災者に衝撃を与えた。と、同時に国など“公”の無責任な情報管理(情報隠し)に一石を投じた。5月中旬の放送で、その時期のマスメディアとしての役割に、新しい市民的視点を打ち出し、以降の原発報道にも大きな影響を与えた事を高く評価したい。また、この番組を代表としてNHKの「ETV特集」の一連の原発報道は、ジャーナリズムの魂をみた思いだ。
☆メディア賞:「シリーズ日米安保2 沖縄-平和の代償」(NHK)
非戦の憲法をもつ国に外国の軍隊が常駐する。そのことに正面から疑問も議論も起こらなくなっている中で、日米安保成立の背景や欺瞞、変質などを分かりやすく説明したシリーズをまず、評価したい。この回は特に、記録フィルムを効果的に使い、米軍基地が沖縄へ集中させられた経緯と現状、日米安保の本質をより鮮明に伝える作品になっている。日米政府それぞれの思惑、経済による屈服など、原発事故後の今、いっそう訴求力のある作品である。
☆アンビシャス賞:「届かない最期の声 死因究明の闇」(STV)
23年前、北見市のアパート浴槽で29歳の青年が死亡した。警察は「溺死」としたが、父親は「パロマ工業製湯沸かし器の改造による一酸化炭素中毒事故」と解剖を求めたものの実施されなかった。
その背景には全国一律の死因究明制度の不在と、道内の3大学が引き受けられる解剖数は限界に達し、不審死の解剖率は約5%。その現状を道内で初めて司法解剖の現場にカメラを入れるなどの取材を重ね、問題点を鋭く浮き彫りにした。
2011 年 12 月 28 日
2011年のメディア・アンビシャス大賞選考会を2012年1月15日午後1時から、札幌市中央区民センター(中央区南2条西10丁目)で開きます。当日は映像部門では3作品を上映、また活字部門では会員が「推薦の弁」を発表のうえ、両部門で投票します。非会員の方には会員登録をお願いします。選考会への参加、「映像」「活字」両部門の投票ができます。
11年の大賞選考は以下のように進んでいます。
【映像部門】大賞候補には13本あがりました。12月に開いた臨時の上映会などを経て会員が投票し、得点上位の以下の3本が選ばれています。
- シリーズ日米安保② 沖縄-平和の代償(NHK)
- ネットワークでつくる放射能汚染地図(NHK)
- 届かない最期の声 死因究明の闇(STV)
【活字部門】大賞候補には12月の追加を含め40本あがりました。12月2日に予選会に立候補した委員で絞り込み、20日の例会で大賞候補5本を以下のように選びました。
- プロメテウスの罠(朝日)
- ウイキーリークス公電報道(朝日)
- これからのエネルギー(道新)
- 黒松内低地活断層/保安院が活断層再評価へ(道新)
- 岐路 大間はいま(道新)
2011 年 11 月 10 日
『大震災100日、揺れる日本』 上映とトーク
9月に北大で開催された日韓中テレビ制作者フォーラムで話題になった、韓国KBS制作の東日本大震災と原発問題を追ったドキュメンタリー。 海外だからこそ描けた点もあるなど、フォーラムの中でも高い評価が語られました。上映を企画したSTVの林さんをゲストに意見交換をします。日本の報道とは違う視点などもあるかと思います。
「大震災100日、揺れる日本」KBS制作(韓国) 約50分
東日本大震災の発生から100日、だがその余波は今も続いている。宮城県南三陸町など代表的な被害地域の取材と、海、土壌、空気などを汚染している放射能への恐怖、そしてそれに対する日本政府と国民の対応を通じ、日本はこの危機を克服できるか、これから どこへ向かっていくのか、大震災以降の日本の行方を探る番組である。
(日韓中テレビ制作者フォーラムのパンフレットより)
<ゲスト> 林健嗣さん(STVメディアプロデューサー、メディア・アンビシャス会員)
●日時:2011年11月15日(火)19:00〜
●場所:フリースペースATTIC (札幌市中央区南3西6長栄ビル4F)
セブンイレブン西側の時間貸し駐車場隣、daidaiというカフェが1Fにあるビル。
地図:http://www.a-yaneura.com/access/
●参加費:500円(例会資料代)・学生無料
●問合せ:staff@media-am.orgまたはシアターキノ(011-231-9355)中島
※会員限定です。参加希望の方は、メディア・アンビシャスにご入会下さい。
年会費3000円(学生会員1000円)です(当日会場でも入会受付します)。
2011 年 10 月 11 日
『嵐の気仙沼〜宮城、港町の特別な一日〜』『がれきを踏みしめて〜気仙沼 港町の絆〜』 上映と意見交換
9月に札幌で開催された日韓中テレビ制作者フォーラムで紹介されたNHKの久保ディレクターの2作品を上映します。2009年に取材した方々が被災され、被災後の皆さんに会いに再び気仙沼にでかけます。震災とともに継続取材とそのきずなを考える機会になればと思います。
NHK仙台放送局2009年製作
『嵐の気仙沼〜宮城、港町の特別な一日〜』
(ナレーション 高橋克実 久保志穂ディレクター)
大型台風が接近する日、多くの漁船が避難してくる港・宮城県気仙沼。久々に陸に上がった漁師たちと、温かく出迎える港町の人々との一昼夜限りのドキュメントを追う。
台風が三陸沖に接近すると、100隻以上の漁船が一斉に避難してくる港、宮城県気仙沼。ふだんは静かな港町が、避難してきた漁船で埋め尽くされ、昭和の時代のような熱気に包まれる。久々に陸に上がった漁師たちは“大切な人”のもとに駆けつけ、さまざまな人間模様を繰り広げる。嵐の気仙沼を舞台に、漁師と港町の人々の一昼夜限りのドキュメントを追う。
NHK仙台放送局2011年製作
2011年9月19日NHK総合ヒューマンドキュメンタリーで放送
『がれきを踏みしめて〜気仙沼 港町の絆〜』
(ナレーション 高橋克実 久保志穂ディレクター)
2009年9月に宮城・気仙沼で撮影されたドキュメンタリーには、港町の人々と、カツオ漁師たちの心温まる交流が記録されていた。
しかし、2011年3月に気仙沼を襲った大津波によって、街は一面、がれきに覆われた。大津波によって、2年前の番組に映し出されていた人たちの人生はどうなったのか。被災者の苦難の歩みを、半年間にわたって追った。
●日時:2011年10月18日(火)19:00〜
●場所:フリースペースATTIC (札幌市中央区南3西6長栄ビル4F)
セブンイレブン西側の時間貸し駐車場隣、daidaiというカフェが1Fにあるビル。
地図:http://www.a-yaneura.com/access/
●参加費:500円(例会資料代)・学生無料
●問合せ:staff@media-am.orgまたはシアターキノ(011-231-9355)中島
※会員制です。参加希望の方は、メディア・アンビシャスにご入会下さい。
年会費3000円(学生会員1000円)です(当日会場でも入会受付します)。
なお、11月例会は11/15(火)です。